『新酒の季節は杉玉色で』の
作品ページへ ようこそ
お越しくださいました。

この作品は、落語。
噺家さんが寄席で高座にかける、
あの落語です。
ですので、語調も落語そのもの。
「ありがとうございます。
お忙しいのに、こんな所に
来ちゃって。これも日頃の
行いが悪いから…」
で始まります。(冒頭です)

これ、ひょっとすると
業界初のマーケティング落語かも
しれませんが、
それはどうでもよいことで、
肝心なのは、
なぜ落語? なんの落語???
なので、まず
このあたりから作品のご案内を
したいと思います。
Q.じゃあ教えて。なぜ落語なの?
A.聞いた話ですと、
この噺(はなし)の主人公、
その心情を豊かに
表したかったそうで。
その人、大工の熊吉といって
江戸時代の人で、昔の人だから
標準語しゃべらないし。
ですが…この熊吉さん、
実は未来の消費者なので、
その心の細かいところを
ストレートに表したかった。
作者はそう言っています。
それができるってんで
自然に落語に…
あの~
どんな噺か少しご説明しても
よろしいでしょうか?
なんの落語かも分かってくると
思いますので。
ありがとうございます
主人公の、その熊吉が
日本酒の蔵元さん、
その玄関の軒下に飾る
杉玉を眺めるんです。
ご存知と思いますが、
杉玉ってのは でして、

この杉玉を、熊吉、眺めます。
毎日毎日、眺めます。
その理由は…
タイトル『新酒の…』で
予想は付きそうですが、だいたい
そんなストーリーだそうで。
Q.で? その江戸時代の人が
未来の消費者なわけ?
A.はい、そうらしいんです。
作者が言うにはマーケティングは
未来予想が肝心で、人々の関心や
興味がどこへ向かう?を具体的に
描けないとダメだそうで。
Q.それで落語で…
A.描いちゃった。
どうも、熊吉の気持ちや行動が
作者の未来予想らしいんですが、
落語で見せて、解説まで付けて
読者に「いかが?」と
問い掛けているようなんです。
Q.未来からの挑戦状
というわけ?
A.その通りでして。
作者が言うんです。
人々が求める内容が変わると、
ビジネスも変わるって。
戦後、1945年頃は空腹だった。
だから関心は食事だった。
腹が満たされると贅沢を欲した。
1980年、オシャレに憧れ、
2000年、新世界を探し求め、
2020年、人生を問い直し…
それに伴い需要も変わったと…
一流ブランドが廃れ、
インスタ映えに飽き飽きして、
LGBTQに微笑み、
映画『ノマドランド』が
アカデミー賞を獲ったでしょ!
と言うんです。
そして熊吉はその先にいると…
Q.えっ、熊吉は新酒を楽しみに
してたんじゃないの?
A.どうも違うようなんです。
和製ボジョレー・ヌーヴォーも
見当違いみたいで。
その辺りが未来予想というか、
なんといいますか。
Q.けれど、熊吉が未来の消費者だ
なんて作者の勝手な予想でしょ?
A.そうなんですけど、
作者に言わせると、予想はみんな
勝手だそうで。ただ予想の根拠を
示さない推論もダメ。
そこはわかっているらしく、
落語の後ろに未来予想に関する
解説を載せています。
Q.さっき言ってた解説?
A.はい。
「これからの消費論」という
そうです。
Q.どんな内容なの?
A.どうもそれは…
読んでのお楽しみだそうで。
ただ作者に言わせると、
読まれた方が
①落語で
作者の未来予想を知る
②読者も未来予想!
を期待しているようなんです。
Q.挑戦状に答えて!というの?
A.御意!🙇
と思わず時代劇しましたが、
そういうことらしく…。
Q.生意気ね!
A.ですよね。
でもここまで言われて何もしない
っていうものマーケティング的
(=お客様的)にどうか?と
いう気もしてきます。
Q.そんな気もするけど。
何かどんどん作者の思う壺に
ハマっていない?
A.そんな気もしますが、
落語ですから笑えるでしょうし、
何もそこまで力まなくてもいいん
じゃないかなという気もします。
熊吉が未来の消費者だとして
その情報料が500円なら
ラッキーかもしれません。
Q.そうかしら?
ところで、あなた、誰だっけ?
あっ、ひょっとして…
A.あはは、申し訳ございません。
落語で言う二段落ちで
ございます。
お後がよろしいようで(終)

…という作品です。
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お楽しみください!