執筆・文章作成のご参考に。
 (ちょっと変わった執筆歴など)

こんにちは 矢嶋剛です。
今はマーケティング・ストーリーを
書いているのですが、
それ以前にも
色々な文章を書いてきました。

あるときは 学術論文、
ゴリゴリな 数値データの分析、
ちょこっと 新聞記事(経済紙)、
共著だけど 専門書、
㊙ コンサルティング・レポート、
お気楽 コラム(新聞、業界誌)。

「文章いろいろ~!」と
叫びたくなるような執筆を
のらりくらり続けてきたわけです。

もちろん、
こうした書き分けには理由があって
その時々に最高の表現をするために
必要なアレコレを勉強して吟味して
書きながら覚えていったわけなので
あります。

この「あります」、最終行の先頭ポツンだと
面白いなぁ~に今、唐突に気づきましたが、
それはこの話とは全然まったく関係ないので
打ち捨てて先に進みます。


そんな書き分けをしていく途中で、
わたしは気づいたのです。

「あぁ、この話、この文体じゃ無理」

そうなのです。書きたくても文体が
拒否、拒絶、面会謝絶、門前払いの
強烈なひじ鉄を書いているわたしに
ぶちかましてくるのです。

たとえば、こんな風。

ある大学の先生の退官記念論文集に
寄稿したときの話です。

ファッションの話を載せたくて、
映画『プラダを着た悪魔』の、ある
シーンを学術論文に登場させようと
目論んだときのこと。

その映画を観ていない人もいるので
シーンを説明しようと試みました。

ところが書けない。書き切れない。
登場する人々の気持ち、その抑揚を
書きたいのですが、書いてしまうと
他の記述とのバランスが崩壊する。

論文?な人は「?」だと思います。
書けばいいじゃん!なのですが、
学術論文からすると、問題の映画の
シーンは論文の主張を支える証拠の
一つに過ぎない。「だからくどくど
述べるな!」になっちゃうのです。

ううぅ変!と思うかもしれませんが
学術論文はそうい文章なのです。

※『プラダ…」がどうなったか気になる人は
 完成論文を見てください。160頁。


というわけで、
くどくど書きましたが、
文体それぞれに特長があります。

癖もあります。好き嫌いも激しく、
嫌なものは断固拒否。逆に歓迎!も
きちんと決まっていて、その基準と
ルールは明瞭なのです。

ですから、書ける文体の広がりは、
書く手の思考を強く制御する分、
複眼的思考を育んでくれるのです。

ここには
そんな話を書いていきます。

執筆・文章作成のご参考になれば
嬉しいです。

(なるかなぁ?)
(ならへんかも?)

(まぁええがな!)

と、ノリツッコミしながら
書き進めます。

では、文体それぞれの特長から
説明を始めます。

学術論文 academic paper  

いちおう研究者なので(大学院卒、
元研究員、大学講師)、学術論文
という文体も書いています。

この文体は言葉に慎重です。
言葉を「概念」として扱うので、
その内容と範囲を人に説明する
必要があります。たとえば、

・君の論じる「生活」は何を指す?
 辞書の「生活」と違うの?

・君の論じる「生活」は
 「暮らし」と何がどう違うの?

を説明できないと なのです。

さらに

・君の「生活」概念は、
 他の人の「生活」概念と
 同じなの?違うの?

も説明しないと

この作法(概念規定と言います)、
とても厳格です。

なぜかというと
論文を介して、世界中の研究者と
議論をするから、必須なのです。

大学で卒論(=学術論文)を
書く機会のある方はチャンスです。
この文体にヒーヒーしてください。

鍛えられます。
とくに言葉の意味の使い方が。

数値データの分析 

この項目を見て、
「ちょっと待ってよ」と
感じた人、多いと思います。

「文体の話でしょ」
「データって、なんやねん?」
「分析は“書く”とちゃうで!」

と思いますよね。

ごもっとも。でも違うんです。

1,2,3という数値も言葉。

データの特徴を数値でどう表すか?
グラフ? 表? 式? y=ax+e

いろいろな表現が可能です。
例をあげてみましょう。

100人のうち43人が「はい」と回答
=43%が「はい」と回答 分母は100
=この結果を描いた棒グラフ
=この結果を描いた円グラフ
=この結果を描いた数表


このようにデータの分析結果は
同じ内容を伝えているにも関らず
いく通りにも書き分けられます。


もうひとつ例をあげましょう。

あるデータから
「〇な人ほど△が好き」なる結果が
判明した!とします。

ところが同じ結果でも

A分析を使うとaのように見え
B分析を使えばbのように見え
C分析を使うとcのように見えます~


になってしまうのです。

不思議ですが、本当なんです。

やっかい(おもしろい?)のは、
このa~c、どれも正解。
間違っていません。

その表現に一長一短があるだけ
なんです。つまり、

伝えるために何をどう表すか?
技法として何を選ぶか?

これがデータ分析の真実です。

ですから必然、
データ解析も文体なのです。

では、
この文体のルールは何でしょう?

それは
・データの特徴を的確に表す
・そのためのベストな方法
 (解析法+視覚化)を使う
・それでも表現しきれなかった
 喪失(例 非説明率)を明かす

です。

このルールに沿い、 best な表現に
近づくため何度も描き直す。それが
数値データ分析の正体なのです。

ですから経験を積むほど、まとめる
力、表現する力が高まります。
(〇〇分析などと呼ばれるデータ解析法を
 たくさん使える=表現の幅が広い)


以上は、
日本経済新聞社の研究所、日経産業
消費研究所で消費者行動分析をした
ときの経験です。

データ分析は、データという言葉を
用いた語り掛け
だと悟ったことは
とても貴重な気づきでした。

新聞記事 newspaper article 

データ分析をしていた日経…は
日本経済新聞社の研究所で、同時に
編集局の一部署でもあったのです。
ですから新聞記者として取材をし、
記事を書きました。
(日経テレコンに署名記事あるはず)

ですから、新聞記事が書けます。

新聞記事はユニークな文体です。

・事実を書く
 when where,who,what,how
・評論や感想、不要
・結論なし time goes by
・一読で解かる
・できるだけ短く

これが鉄則。

「…のようだ」は
 :伝聞・憶測なので。裏を取れ!

「と見られる」は
 :他者評価不要。自己責任。

「つまり」「要は…」は
 :まとめ不要。繰り返すな。

この辺りを徹底的に指導されます。

ですから最初の頃は
持っていった原稿を
目の前でどんどん削られます。

とても厳しい、文章の訓練。

でも、そのおかげで
100字の広大さを痛感。

人気です。
人気だ。
人気。
の違いに感動しちゃうんです。

そして、
事実を淡々と切り出す力も
アップ、アップ、アップ

「〇によれば…」
「の声も」
「と言われ」
に逃げず、断定や言い切りが
当たり前になるからです。

その余波で
曖昧な表現でお茶を濁している
いい加減な記事も判別可。

(新聞の電子版にあふれる長文の記事は
 この傾向が強い。事実を詰めない分を
 感想やメモ風で誤魔化す。記者自身の
 実力不足が原因。深刻な問題ですね)



新聞に載っていても記事ではない。
そんな文章の存在にも気付きます。

(社説は意見を書いた文章です。よく読んで
 事実と意見の配合比率の確認を。その他、
 解説委員(元記者)の書く文章、たとえば
 朝日新聞の天声人語なども記事とは別物)


新聞記事って、書く機会(というよ
り鍛えられる機会?)
がないので、
伝わりにくいかもしれませんが、
すごい文体なんです!

専門書  specialized book 

専門書と呼ばれる本も書きました。

何が専門書?は定かでありませんが
読者がその道の人!というところに
特徴があります。

彼らは著者と同じ問題に取り組んで
いたり、同じ業界で働いていたり。

門外漢やビギナーではないので
基礎的な用語(例 物流とは?)
説明する必要はありません。

そこを飛び越した地平で書きます。

具体的にいうと、
専門家どうしの議論を整理する
ことを要求されるのです。

A教授とB社長、それぞれ何を
言ってる? ここで意見が違う!を
はっきりと示す。(問題点の整理)

その上で
「何が問題で」「検討すべき事」
「解決法は」を深く鋭く説く。

もちろん、A教授やB社長といった
論客を登場させなくてもOK。

それらを略し(:そんなの知ってる
でしょ!モード)、いきなり自分の
主張を展開させてもいいのです。

何より肝心なのはその道の人たちを
唸らせること。

「う~ん」
「これは達観」
「そこまで気が回らなかった」
と思わせたらミッション、クリア!

これが専門書です。

ですから求められる文体は

プロフェッショナル感

に満ち満ちています。

具体的に示すと、その特長は

・無駄を省く
・受け売りをしない
・コンパクト
・言い切り(例 である)

で形を成していくのです。

結果、
ふつうの文章と比べると
意味の密度が異常に濃い。

1を書き、10を伝える!

気配が濃厚。

そんな文体になっていきます。

恥ずかしながら
わたしも数冊(共著)。

『医薬品流通論』(東京大学出版会)
『中小流通業 革新への挑戦』
        (日本経済新聞社)

こちらは『中小…』の紹介記事です。
小売業は仕入基準をブランドに!と提案。

コンサルティング・レポート 

ここでいう
コンサルティング・レポートとは

経営トップからの依頼で
戦略の策定・展開・修正・収束の
意思決定をサポートするための
ドキュメント全てを指します。
 (こうしたコンサルティングを
  13年ほど、していたのです)


これは、お見せできません。
(守秘義務と信義の関係上)

しかも書式や体裁に決まりは無く、
文体の説明は難しいのですが、
それは確かにあるので、
肝心なポイントだけを書きます。

・経営トップが問題視している
 トピックすべてを網羅すること
・短い時間ですべての内容を
 理解できるように書くこと
・論理的であること
 (=トップによる再説明を想定)
・結論を「ズバッと」示すこと

が要求されます。

組織のトップは決断のために
結論を求めていらっしゃるので
それに応えるように書く。

そのための総合力が試されます。

同じ状況は二度とないので
実力は書いて書いて
書き抜いて鍛えるしかなく。

そんな立場になったら
わかってもらえる、かなぁ?

  ? ? 

コラム column 

感じたままに、自由に書いて、
読後に「そうね」「そうだね」と
思っていただく。

それが、コラムです。

決められた字数をフルに使って
(1000字だったら1000字で)

その枠の中に、読み切りの話を
そっと置くように書きます。

軽い読み物なので、難解は
パラダイム??のように
読者を煙に巻く言葉は厳禁。

やさしく。ウィットに富み。

さりげなく始まり、
さらりと終わる。

それでいて、その回のテーマを
構造的に感じさせてくれる。


そんな文章を求められます。

ナンシー関さんは、よき手本です。
(故人。『何もそこまで』ほか。


わたし流はな感じ。

 日本通信販売協会の会員誌に
 『やじ馬日記』 pdf


 中日新聞に消費コラム
  ⇒ 復刻しました(選り抜き)


文体は作者によって様々ですが

・エッジを利かせる
・短文
・敬体より常体
・笑いあり

は共通しているように感じます。

(わたしのコラムは、生活の実態を起点に、
 「こうして、お願い」へ流れていきます。
 ですから「今、何が起きてるの?」を
 映画のように描く心配りをしています。)

いかがでしたか?

わたしの経験した文体について
書いてみました。

文体って、個性的です。

それぞれに
それぞれの狙いと感性があって。

新しい文体に挑戦するたびに
思考がどんどん複眼的に。


なので、今では、おかげさまで…

難しいことを
シンプルに書けます。

抽象的なことがらを
具体例だけで描くこともできます。

ぷぷぷっと吹き出す楽しい話も
ナントカ博士の小難しい話も
自由自在につなげられます。

異なる文体が形づくる異質な思考や
感性が勝手につながっていく感じが
するのです。

そんな複眼(文体どうしの関係)を
ポジショニング・マップにすれば…
 ※ポジ…とは、対象(ここでは文体)の
  関係を地図で表すテク。近いほど近い)

矢嶋ストーリー・公式サイトのページ「文体いろいろ執筆歴 | 矢嶋剛」の紹介スライドでも使用した、矢嶋ストーリーの執筆経験のポジショニング・マップです。コントラストを紹介スライドより効かせています。著者・矢嶋剛は、新聞雑誌のコラム、新聞記事、コンサルティング・レポート、専門書、研究報告書(調査分析・データ解析)、学術論文を書いてきました。それらの相対的位置がこのマップでわかります。

な感じに。

この空間(軽妙と論理のあいだ「縦軸」、
事象と傾向のあいだ「横軸」から成る)

わたしの思考は行き来している。

と自分では思っているのですが、
どうでしょう? 

ということで 執筆歴でした

勝手を書かせていただきました。

それにしても
「書く」ってオモシロイです。

自分が書いている!はず
なんですけど、

文体が自分に書かせている感じも
確かにするのです。

文体に操られるわたし!
「きゃー!」

それもいくつもの文体に…
「きゃー!」「きゃー!」

おバカになってきたので、
そろそろ〆ます。

それでは、お仕舞い!

矢嶋剛(矢嶋ストーリー)

   

最後までお読みいただき
ほんとうに、ほんとうに
ありがとうございます。

いつの日か、みなさんと
「書く」についておしゃべりできたら
楽しそうだなぁ

そんなこと、ふと想います

今でも「書く」は悩みの種で
tiwtterとか
投げっぱなしに
できなかったりします。

あはは…

それでは、また。

さようなら。



参考になったかな?
話が長い?
やっぱり…
お茶する?
……